「ドル建て保険は解約した方が良いですか?」
こんなご相談を良く頂きます。
解約した方が良いかどうか(損か得か)は、ケースバイケースで何とも言えません。
でも、解約しても良い(差し支えない)とは思います。
解約の経済的なデメリットを承知していれば解約という選択肢は十分アリだと思いますよ。
家の中のモノを断捨離する時に「少しもったいないかな」って思ったけど、思い切って捨てたら気持ちがスッキリした。
なんて経験はありませんか?
それと同じです。
ということで今回はドル建て保険を解約しても良い(差し支えない)理由を3つお話ししますね。
ドル建て保険のメリットがどうしても思い浮かばないから
ドル建て保険についてのご相談は多いです。
世間でもドル建て保険についてのクレームが増えているようです。
なので過去にも何度かブログ(アメブロ)で書いたことがあります。
そんな時「デメリットを一方的に書くのは良くないからメリットも書かないといけない」って考えを巡らせます。
でもドル建て保険のメリットが、どうしても思い浮かばないのです。
「金利の高い外貨を保有しておいた方が良い」
「死亡保障が必要なら金利の高いドル建ての保険の方が良い」
など、どれもこれもどうしてもドル建て保険のメリットには感じられないのです。
かつて生命保険のセールスマンだった頃のボクは、これをメリットだと自分に言い聞かせてお客さんにススメてました。
家計の変化に柔軟に対応できないから
ドル建て保険に限らず、貯蓄タイプの生命保険の多くは解約金が払い込んだ掛金を上回るまでに時間がかかります。
解約を躊躇して、必要な時にスグお金が使えません。
「収入が減ったり」するような家計の変化に柔軟に対応できません。
だから、将来のために大切な今を犠牲にしているような気分になります。
解約しにくいことが、お金が貯まる原動力になることもありますが、それなら他にもっと合理的な方法があります。
将来に備えるならもっと合理的な方法があるから
これもドル建て保険に限らず貯蓄型生命保険すべてに言えることです。
貯蓄型生命保険は、保険としては掛金が高く、貯蓄手段としてはあまり合理的ではありません。
「帯に短しタスキに長し」ということわざがピッタリの保険です。
特に将来のための貯蓄手段としては合理的ではないと感じています。
同じ土俵で比較することはできませんが、iDeCoやNISAの方が色んな意味で合理的だと思いますよ。
まとめ
もしあなたが、ドル建て保険などの貯蓄型の生命保険の解約を検討しているのなら解約しても良い(差し支えない)と思います。
その場合は解約の経済的デメリットをちゃんと把握してくださいね。
経済的デメリットというのは、いわゆる元本割のことです。
貯蓄型生命保険を途中で解約すると、払った掛金に対して戻ってくるお金の方が少ない場合がほとんどです。
それでも貯蓄型生命保険を解約する選択はアリだと思います。
経済学的にお金の価値を考える時、将来手に入る100万円よりも現在手元にある100万円の方が価値が高いと考えます。
手元にある100万円は使い方次第で大きな価値を生み出せる可能性があるからという理由です。
「将来のためにお金を貯めるよりも価値あるお金の使い方はないか?」と考えることも大切だということですね。
2024年から新一万円札の顔になる渋沢栄一さんは、こう語っていらっしゃいます。
「お金を無駄に使うのは戒めなければならないが、ケチになることも注意しなければならない。」
「良く集めることを知って、良く使うことを知らないと最後には守銭奴になってしまう。」※現代語訳論語と算盤(筑摩書房)より
私ごとですが、ボクは郵便局長を辞めて独立系ファイナンシャルプランナーになりました。
将来いただけるであろうお給料や退職金など、お金を基準にしたら絶対にない選択だったと思います。
その代わり、お金には替えられないコトやモノをたくさん得られるようになりました。
不思議なことに、お金もついてくるようになりました。
ボクのような行動は少し極端だと思いますが…
「今を楽しむお金と将来の貯蓄のバランスを少しだけ緩めるのは、アリなんじゃないかな~」とは思います。
この記事は「保険を解約しようかどうしようか迷ってる人は、誰かに背中を押してもらいたいのかもしれない」というコンセプトで書きました。
迷ってるんだったら解約してパーっと使ってしまうのも良いかもしれませんよ。
応援したい会社の株式を買ってみるのも良いですね。
お金の代わりに得られるものがきっとあります。
将来設計はもちろん大切なことですが、せっかくなら少しだけ楽観的に将来設計をしてみてはいががでしょうか。