話を聞いてしまうと断れなくなってしまうから、私は保険屋さんに近づかない方が良いと思っています。
生命保険の相談を受けた時に、とある女性から聞いたお話しです。
元生命保険のセールスマンとして、何ともやるせない気分になりました。
生命保険は世の中になくてはならない大切な金融商品です。
でも、生命保険が本当に必要な場面は人生の中のほんの限られた期間だけです。
お子さんが生まれて成人するまでの間、家計の稼ぎ頭が死亡したり働けなくなった時の備えがあれば十分です。
10日間入院して十数万円の入院給付金がもらえた時、確かに嬉しいですよね。
保険に入っていて良かったと感じると思います。
でも、その十数万円の給付金がなかったら家計が立ち行かなくなって家族が露頭に迷うようなことになっていたでしょうか?
そんな事態にはならないケースがほとんどだと思います。
もちろん、それがムダだとは一概にいえません。
ただ、毎月数千円の掛金でも、年間数万円になります。
それほど必要のない保険の掛金を払っているのならご家族でおいしい料理でも食べに行ったりして今を楽しんで頂きたいとボクは感じます。
ということで、今回は生命保険の勧誘を断っても失礼じゃない理由についてお話しします。
ハッキリ断ってもらった方が嬉しい
ボクは元生命保険のセールスマンです。
お断りを受けた時は確かに一瞬凹みます。
でも、良くも悪くも結論を頂いたことを嬉しく感じてもいました。
なぜかというと、未練なく次のお客さんのところへ行くことができるからです。
契約に乗り気じゃない時は「保険のことを考える機会をくれてありがとう。でも今回は加入を見送ります。」と丁寧に断ってあげてくださいね。
お互いにスッキリしてその後の人間関係も良好に保てますよ。
保険のセールスマンやセールスレディの数が多すぎる
最初にお伝えしたとおり、生命保険が本当に必要な場面は人生のごく限られた期間だけです。
需要に対して供給が多すぎるのですね。
その証拠に、毎年多くのセールスマンやセールスレディが辞めていきます。
生命保険の必要性がまだ理解されていなかった戦後の日本だったら「生命保険の大切さ」を伝える伝道師の役割があったかもしれません。
でも現在は、ほとんどの人が保険の必要性や大切さを理解しています。
生命保険が必要ないと思ったら遠慮なく断りましょう。
彼らは保険を売ることが仕事です。
断る権利がお客さんにあることも十分承知しています。
断ってもまったく失礼ではありませんよ。
セールスマンやセールスレディの数が多すぎるだけです。
あなたの責任ではありません。
まとめ
将来を不安に感じてしまうネガティブな情報がメディアなどで流れています。
そんな情報を目にしたり聞いたりした時、「その情報は本当かな?」「別の見方はできないかな?」なんて具合に一呼吸おいて考えてみてくださいね。
保険のセールスの人からの情報も同じです。
かつてボクが生命保険のセールスマンだった頃、どんなふうに情報を伝えていたのかお話しします。
嘘は言いませんでしたが、ある事実を生命保険を売るのに都合の良い角度から伝えていました。
もちろん、ボクの心構えが良くなかったことが1番の原因です。
一方で、保険を契約して頂かなければ仕事にならなかったのも事実です。
「良い話をしてくれてありがとう。お礼に何か契約させて」こんなありがたい提案をされたこともよくありました。
仕事としてはそれで十分ありがたいお話しです。
でも何んだかスッキリしない気分でした。
人生をカレーライス(主役)に例えるなら、保険などの金融商品は福神漬けやラッキョ(脇役)だと思います。
福神漬けやラッキョ(脇役)にお金をかけるのではなく、カレーライス(主役)にお好きなトッピングでも載せてカレーライス自体を存分に味わって頂きたいとボクは思っています。
亡くなった父がこう言っていたことを最近思い出しました。
「じいさんになって歯がなくなったら硬い煎餅は食べられへん。人生には今しかやれないことがあるんや」
父親が亡くなった年齢を超えて、この言葉を実感しています。
何にお金を使うかは、人それぞれの価値観によるところが大きいと思います。
生命保険に加入することがあなたの価値観に合っているのならご加入ください。
でも、そうでないならキッパリ断っても差し支えありませんよ。